人生会議をする支援
緩和ケア医は人生会議の実践・サポートに習熟している
皆さんは人生会議をご存じでしょうか?
2019年に小籔千豊さんが起用された「人生会議」のポスターが話題になり、私も寄稿しているYahoo!で取り上げました。
人生会議のPRポスターが1日で発送中止になった件 緩和ケア医の視点
いざとなってからの「人生会議」で何がマズイのか 人生会議をめぐる議論で緩和ケア医が考えたこと
人生会議とは2018年に厚生労働省がACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及のために、愛称を付けたものです。
ACPでは以下のことが話し合われます。
・本人の気がかりや意向
・本人の価値観や目標
・(病気等に既にかかっている場合は)病状や予後の理解
・医療や療養に関する意向や選好、その提供体制
ただ実際にこれを行っている方が少なく、認知度も低かったために、人生会議という名前が作られたのでした。
なおACPを行うことで、いざという時も含めて、自分の意思を(例え自らの意思を表示できない状態に置かれてしまったとしても)医療等に反映することが出来ますので、これは自分のため、そして家族などの大切な人のためにとても重要です。
緩和ケア医は日常的にこれらの話し合いに臨席しているため、医療者の中でももっともこれらの経験が豊富な一群であると言えるでしょう。
人生会議の前身たるACPには
Ⅰ 健康成人へ
Ⅱ 病気の方
Ⅲ 終末期の方
の3パターンあると言われています。
そのうちⅠに関しては
・意向は曖昧で、その度に変わり、遠い未来に対する仮の選択になる
・不確実な判断、何をもたらすかわかっていない
・どんな選択をしたか覚えていない
・1-2年経つと違う選択をする
とされています。
確かに予測される経過は山ほどあるため、そこで医師が入って、考えられる経過を様々にシミュレーションするのは
非現実的でもありますし、中にはあまりそういう話をしたくない方もいらっしゃるかもしれません。
そのため私もよくⅠに関しては、家族間でいろいろと話し合っておくと良いのではないかという勧め方に留まっています。Ⅰは本当に役に立つのか、という評価が固まっておらず、私個人としては家族間で行うことは意義があるのではないかと感じています。
一方で、医療的な選択も、未来には遭遇しうることであり、医師が具体的にどのような状況を各人が迎えうるのかということに関して情報を提供することには、一定の意味があると考えられます。
ⅡとⅢは担当医として行うことになります。
また私の場合は、まとまった会議としてではなく、折に触れて診察室や居宅で、価値観などを引き出しながら、1回で終わるものではなく、雑談形式で話を聞いて、という形が多いです。
「どこでも緩和」で提供する人生会議サポート
人生会議を行いたいが、どう行っていいかわからない、サポートしてもらいたい、そのような話はしばしば伺います。
そのため提供するサービスである「どこでも緩和」では、皆さんの人生会議をサポートしたいと考えております。
ご要望がある方はぜひお声がけください。
どこでも緩和ネットワークで対応申し上げます。